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【セミナー/イベントレポート】 世界に誇るジャパニーズウイスキーの"粋"を味わう

サントリーの最高峰、「響」のブランドセミナー

「響」は、サントリーが持てるすべての技と知恵を結集して作り上げた珠玉のブレンデッドウイスキーである。1989年の誕生以来、同社が世界に誇る最高峰ウイスキーの座に君臨してきた。今回のブランドセミナーでは、その「響」の魅力、褪せない輝きの秘密について、輿水精一チーフブレンダー自らが語るとあって、300名収容の会場がほぼ満席となった。

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世界が賞賛するジャパニーズウイスキー

キーワードは"革新"

 1989年、サントリーの創業90周年を記念して「響」は誕生した。それまでに蓄積されたすべての結晶、最高傑作と賞賛されたそのブレンデッドウイスキーは、素晴らしい原酒とブレンダーの感性が響き合い、24面カットの美しいデキャンタボトルに越前和紙のラベル、深紫(こきむらさき)のブランドカラーという高貴な佇まいも相まって、世界を魅了した。ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ2012における「響21年」「響17年」の金賞同時受賞など、華麗な受賞歴がそれを物語る。

「昨年11月にISCの審査員として招かれた際、地元スコットランドのウイスキーファンから、日本のウイスキーは、なぜこれほどまでに世界で評価されるのか、という質問がありました。私は、伝統の良さを守りつつ、常に新しいことを模索し続けてきた、その結果であると答えました。革新の姿勢が、今日のジャパニーズウイスキーを創ったのです。

 日本ではここ5年ほど、ウイスキー市場が拡大を続け、山崎・白州蒸溜所もフル稼働の状態ですが、世界ではいっそう、ウイスキーの伸びが顕著です。ISCのエントリーは、これまでは300〜350だったものが昨年、ついにエントリーが400を超えました。いまやウイスキーは世界中で作られており、新たな国の参加も目立ちます。これから5年、10年のうちに、まったく新しいウイスキーが出てくるかもしれません。そう考えると、なかなか楽しみな状況なのではないでしょうか」

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自然、道具、人の手が多彩な原酒を育む

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「少し、響の生まれる背景についてお話をしましょう。ご存知のように、ブレンデッドウイスキーは多彩な原酒をブレンドすることによって作られます。サントリーは山崎と白州にモルトウイスキーの蒸溜所を構えていますが、山崎は茶聖・千利休が重用した水を、白州は尾白川の名水を、それぞれ仕込み水として使用しています。森の中にある白州蒸溜所などは、スコットランドにはないロケーションで、硬度30の柔らかい南アルプスの雪解け水が特徴です。こうした土地ごとの水質や自然環境の違いが、多彩な原酒を生み出すのです。

 ポットスチルや樽も、さまざまな素材と形のものを揃えることで、原酒はさらに豊かに変化していきます。サントリーでは自社で樽工場を持っており、バーレル、ホックスヘッド、シェリーバット、ミズナラ、パンチョンなどを、未来に配慮して資源を残しながら確保しています。原酒は樽で熟成されますが、放っておけば勝手に熟成されるものではありません。たいへんにきめ細やかな管理が必要です。例えば12年経った樽であれば、ひと樽ずつすべて検査しないといけません。これはブレンダーが貯樽庫に自ら足を運んで、どの場所に置くとどういう風に熟成するのか、肌感覚で知っていることが不可欠なのです。

 実は先程申し上げたISCで、サントリーは2012年の『ディスティラーオブザイヤー』に選ばれています。これは世界中の酒類メーカーの中から優れた1社だけが選ばれる栄誉ある賞で、サントリーは2010年に続き2度目の受賞です。皆で丁寧に積み上げてきたものが評価されて、私は、これが大変嬉しかった。1度目は、巡り合わせのようなもので、いつか受賞できるかなと思っていましたが、2回獲ることに意味があると思ったのです」

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癖のある一つの原酒が深みある変化を起こす

 「ブレンダーの仕事について聞かれるとき、私は昔、『1+1が2ではなく、3にも4にもなる』 と表現していました。でも今は、『100+1が200になる仕事』 と答えます。これは、たった1つの原酒を加えることで、全体が一気に深みを増す不思議さを表しています。面白いもので、優等生的な原酒だけをブレンドしても、綺麗だけれど線の細いウイスキーにしかならない。ところが、単体ではとても出せないような癖の強い原酒を少しブレンドすると、素晴らしい変化が起こります。私が手がけた『響12年』は、最初から海外を視野に入れて開発しました。水割りが主流の日本市場とは違い、海外ではストレートで飲んだときのインパクトが大切です。『バランタインやジョニーウォーカーと比べてどうか』『日本らしさも欲しい』。そう思案して、熟成感とフルーティーさを柱としました。熟成感を出すのは、30年以上の古酒。これは、歴代ブレンダーが少々持てあましていた、癖の強い原酒でした。しかしごく少量を配合したところ、独特の熟成感を醸し出すことに成功したのです。フルーティーな香りは、梅酒樽を使ったもの。普通ならシェリー樽を使うところですが、それだと香り立ちが重いのです。

 テイスティングをして『響17年』と『響12年』を比べていただくと、香りや味わいの違いがよりわかりやすいかと思います。多彩な香味のハーモニーを感じさせる17年は、響ブランドの原点と言えるでしょう」

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 「最後になりましたが、ウイスキーファンを増やすためには、初めて飲んだときに『美味しい』と思っていただくことが何より大切です。そのためには、最高の状態でサーブされること、つまり皆様のバーでの出会いが、もっとも大きなきっかけとなるのだと、信じております。ブレンデッドウイスキーは、肩の凝らない、リラックスして楽しめるお酒です。これからも、より多くの方々に愛されていくことを、願ってやみません」

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