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【セミナー/イベントレポート】 25カ国のトップバーテンダーの競演!

25カ国のトップバーテンダーの競演!
~2013年11月5~7日「ビーフィーター24・グローバル・バーテンダー・コンペティション」開催~

London Calling...

 2013年11月5~7日、ロンドンにて「ビーフィーター24・グローバル・バーテンダー・コンペティション」が行われた。同大会は今年で3回目、世界各国から実力派のバーテンダーが集うバテンダー・コンペティションとして注目を集めている。「ビーフィーター」は、ジェームス・バロー氏が1820年に創業して以来、200年近くたった今でも世界中で愛され、また今なおロンドンで蒸溜されているロンドン・ドライジンである。その誕生の地・ロンドンで各国の予選を25名のバーテンダーが、技術を競うわけだから否が応でも期待が高まらないわけはない。今回の大会で参加者が使用する「ビ-フィーター24」は、オリジナルの「ビーフィーター」に使われている9つのボタニカル(草根木皮)に、煎茶、中国茶、グレープフルーツピールなどが加えられたプレミアムジンである。その名前になる「24」は、ボタニカルを24時間浸漬していること、またそれが作られているロンドンが24時間眠らない町であることから名づけられたという。

 日本を代表して出場したのは、「Bar Besso」の佐藤章喜氏。ちなみに佐藤氏は、柚子と実山椒という日本らしい素材を用い、本選に挑んでいる。

Beefeater_⑦集合写真.jpg

難関に次ぐ難関。トップバーテンダーにとっての遠き道のり

 前述したように同大会は11月5日から3日間をかけて実施されている。ノージングテスト(グラスに入ったハーブなどを浸漬したアルコールを香だけで、何たるかを当てる)に始まり、カクテルメイキングの映像撮影、カクテルの写真撮影、ジャーナリストによるインタビュー、テイスティング審査、サプライズラウンドを経て優勝者が決定される。25名の中からまず8名が選出され、一般消費者とメディア関係者による投票によって、優勝者が選ばれるのだ。

 大会初日は、ビーフィーター蒸溜所を見学し、ビーフィーター24で作ったオリジナルのウェルカムを楽しんだ後に、早速、ノージングテストが行われた。各自のテーブルに置かれた8種類のグラスが何なのかを当てるわけだが、流石に世界大会とあって早くも戦闘モードに突入。ウエルカムドリンクを楽しんだ時とは打って変わって真剣な表情で、皆、黙々とノージングを行う様が印象的だった。

 翌2日目は、各自が競うオリジナルのカクテルのメイキングシーンが撮影される。一般的な大会では審査員の前でカクテルを作っていくのだが、この大会ではあらかじめその模様を撮影し、その映像を見ながら実際のカクテルをテイスティングし審査するシステムを採用している。そのため審査員の前で実際の試技を行う必要はないが、審査会場でその映像が流れるわけだから撮影といえども、審査員の前で作るのと変わらない。撮影クルーやヘアメイクスタッフも入った本格撮影には各参加者の緊張度が感じられた。

 最終日はいよいよ山場。「69 Colebrooke Row」のオーナーでミクソロジストのTony Conigliaro氏、同じくミクソロジストでニューヨークのバー「Please don't tell」のオーナーJim Meehan氏、「ビーフィーター」のマスターディスティラー・Desmond Payne氏によるテイスティング審査が行われる。それに先だって実施されたのがカクテルの写真撮影とジャーナリストのインタビュー。写真撮影では単にカクテルを作成するだけではなく、デコレーション、スタイリングなど競技者のセンスを問うもの。そしてインタビューでは、本大会優勝者が「ビーフィーター」のブランドアンバサダーとして活躍することになるために、そのメディア対応能力を見ようと行っているものだ。Desmond Payne氏ら審査員3名によるテイスティング審査が終われば、あとはサプライズラウンドを残すばかり。このサプライズランドでは数名ずつ部屋に呼ばれ、そこで初めてどのようなカクテルを作るのかが言い渡される。今回は、海藻やグレープフルーツ、レタスなどが入った小さなサラダにあう、ビーフィーター24ベースのカクテルを作るのがお題だ。部屋には野菜、果実、スパイス、リキュールなどが用意され、そこから各自が素材をチョイスしオリジナルカクテルを作ってゆく。佐藤氏はフレッシュトマト、シャルトリュースなどを合わせたガスパチョ風のカクテルをここで仕上げている。

Beefeater_①ノージング.jpg Beefeater_②映像撮影.jpg Beefeater_④写真撮影.jpg
ノージングテスト風景 スローモーションカメラも使った本格的な撮影 スタイリングも重要!カクテル撮影

日本らしい実山椒に審査員も興味津々

 我が国を代表して出場した佐藤氏は、今大会で「Dragon Pepper」で戦いに挑んだ。このカクテルは「ビーフィーター24」40ml、100%の柚子ジュース10ml、フレッシュライムジュース10ml、ホームメイド柚子シロップ20ml、実山椒10粒で作る。「ビーフィーター24」の柑橘系の香に山椒・柚子の風味が良く合い、また、「ビーフィーター24」にも使用されている日本茶とグレープフルーツのお香を添えた、まさに日本人独自の世界観を表現したものになっていた。Conigliaro氏とMeehan氏は、実山椒に興味を抱き、初めて知ったその素材をそのまま試食するという場面もあった。また、佐藤氏のカクテルメイキングの映像を見終わると、その技術の高さにDesmond氏が思わず拍手をするほどだった。

 ここまでの審査の結果を踏まえて、25名中8名のファイナリストが選出される。最後は、一般の消費者とジャーナリスト合わせて約50名が招待されたカクテルパーティーで、自らカクテルを作り提供する。そして、この招待客達が票を投じ、優勝者1名が選ばれるのだ。

Beefeater_⑧佐藤様.JPG Beefeater_③審査風景.JPG
佐藤様のカクテルメイキングシーン メインのテイスティング審査

ストーリー性のあるプレゼンテーションが、ひとつの要因?!

 会場の扉が18時30分に開かれるや、華々しいカクテルパーティーが始まった。ファイナリストの作るカクテルに招待客のの手が次々に伸び、それに応えるかの如くファイナリスト達は手際よくオリジナルカクテルを作っていく。「スウェーデンに一票を!」など大声を上げてその場を盛り上げるバーテンダーもおり、会場は熱狂に包まれていった。

そしてカクテルパーティーの最後、審査員の一人であるDesmond氏から発表された今年の大会優勝は、オーストラリアのJason Williams氏でだった。氏はオーストラリアでバーテンダー・オブ・ザ・イヤーに輝いたこともある実力者。今回の氏のオリジナルカクテル「Werewolves of London」は、フルーティーでありながらもビターから来るほろ苦さと緑茶オイルのさわやかな香が印象的なるカクテルだった。カクテルの入ったマティーニグラスの下に置かれたナプキンにはなんと女性からのメッセージとキスマークが。「私にとって本物のロンドン・ドライジンといえば、『ビーフィーター』以外にはありません。このジンのコンペティションで優勝できたことは大変名誉です。それに他国のバーテンダーと知己を得たのもいい経験になりました」とウィリアム氏は優勝コメントを寄せている。味もさることながらストーリー性のあるプレゼンテーションにより、優勝に輝いたといえるかもしれない。

今回、日本代表として大会に参加した佐藤氏は、「この大会に参加したものにしか見られない景色」があったと言う。それは一体どのような景色だったのだろうか?そこには、その場に立った人間にしか分からない何かがあったに違いない。

そしてその何かは、世界のトップバーテンダー達をさらなる高みへと駆り立てるのだろう。

Beefeater_⑥カクテルパーティ.jpgのサムネール画像 Beefeater_優勝者.jpg
招待客にカクテルを振舞うファイナリスト 優勝者Williams氏

今回の大会に参加して(*佐藤様感想)
Beefeater_Shaoki Sato - Japan.jpg 今回の大会に参加し、感じたこととしては、日本ではカクテルを構成する際は生花と似ており、「引き算の美学」を重んじる傾向ですが、現在の海外でのカクテルメイキングは、たし算でもなく掛け算し相乗効果がある味や内容だと思いました。

また、海外バーテンダーのパフォーマンスやフレゼンテーションは、各個人のアピールの仕方のユニークさ、そして何より自由思考の中にアイデンティティの大切な事を、改めて楽しませ方などを感じさせる内容だったと思います。
私のバーテンダー道にとって、最高のステージでの通過点として、今回の大会参加に大きな意味を感じました。又、この舞台に立たせていただいた者しか見られない景色は、更なる行動と前進ある自分に変わり、新たな自身の成長を目指す切り替えとなりました。
日本人としての独自の感性を大切にし、海外のバーテンダーの懐に入り学ぶ姿勢と心構えや、志しが大事だと、私自身感じております。私自身も...これから...今からのバーテンダーですから...バーテンダーの皆さんも、勇気ある一歩を...

優勝者のカクテルレシピ

Beefeater_⑩優勝者記念撮影.jpg Beefeater_⑨優勝者カクテル.jpg Werewolves of London

Beefeater 24  40ml
Pierre Ferrand Dry Orange Curacao  10ml
Massenez Peach Liqueur  10ml
Master of Malt Frankinsense Bitters  5ml
Lemon Juice  20ml
Green Tea Oil  1ダッシュ
Bi Luo Chun Tea mist  ワンスプレー
中央左:優勝者Williams氏
中央右:マスターディスティラーDesmond氏
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