BAR業態様 限定

【セミナー/イベントレポート】世界のバースタイルが一堂に会するテーマショー

Tokyo インターナショナル・バーショー2014開催

世界的なトップバーテンダーとともに
数百種の名酒美酒と和食がコラボ

今回で3回目を数える「Tokyo インターナショナル・バーショー」。毎年恒例のトークショー、世界的なトップバーテンダーのパフォーマンス、そして各ブースでの実演販売など、心地よい酔いとともに、訪れる者の目を奪う華やかな光景が広がっていた。ウイスキー、ジンなどをはじめ、カクテルなどあらゆる酒類へのアカデミックなアプローチが披露された。出店したのは35の企業と226ものブランド。また、和食と数百種類にも及ぶ世界の美酒とのコラボレートというチャレンジも光り、盛大な催しとなった。

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昨年の42本をはるかに凌駕する
期待大のイベントプログラムの数々

バーショー当日は、涼しげな秋風が残暑の名残をさらっていくような、過ごしやすい日だった。開演を待ちかねていた人々の期待が弾けるかのように開場し、色とりどりのデザインが施された各ブランドのブースは熱気に包まれていた。2日間で行われるイベントプログラムは、メインステージ、ミニステージ、マスタークラス合わせて54本と、昨年をはるかに上回る。そんな中でも注目されていたのは、日本の味わい深いウイスキーの文化をブレンドマスターたちが語り合う「匠の技 ジャパニーズブレンディング」だ。

ジャパニーズウイスキーの伝統と趣、
ブレンダーが語るウイスキー愛

サントリー酒類株式会社からは福與伸二氏、ニッカウヰスキー株式会社からは佐久間正氏、キリンビール株式会社の田中城太氏、本坊酒造株式会社の久内一氏、ベンチャーウイスキー株式会社の肥土伊知郎氏、パラグラフ・パブリッシング社のデミアン・ライリースミス氏といったそうそうたる顔ぶれが一堂に会した。「ウイスキー・マガジン」発行人デミアン・ライリースミス氏による軽快な司会に導かれるように登壇した5名のブレンダーの話題は、ジャパニーズウイスキーの製造工程での各社のこだわり、そして伝統や趣、やがては個々が愛してやまないウイスキーへの思いへと紡がれてゆく。

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ジャパニーズウイスキーの製造において重要な3つの要素は、変化する日本の四季がウイスキーづくりにもたらす恩恵、日本人の持つ勤勉さ、そして繊細な味わいを感じ取る消費者だと言う。トークセッションでは、これらがジャパニーズウイスキーをより味わい深いものに進化させ続けているという結論が導かれた。豪華な顔ぶれのブレンダーたちの熱のこもったトークは1時間弱という時間いっぱい聴衆を魅了し、万雷の拍手で締めくくられた。

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サントリーのチーフブレンダ―である福與伸二氏はその後、「世界が認めたサントリーウイスキー」と題したテイスティング講演にも登壇。ウイスキーショップW.オリジナルウイスキー3種の解説とテイスティングを行い、洋梨・紅茶・ナッツの香りが薫り、なめらかな飲み口の第一弾、果実類・ライム・ミントの香りが広がるとともにスモーキーな味わいが人気の第二弾を紹介。テイスティングを楽しむことができた幸運な50名ほどの聴衆は、舌いっぱいに広がっていくウイスキーの豊かなハーモニーに酔いしれていた。

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ステージの横では、ウイスキーに合う和食フードコーナーも出展。東京・六本木の割烹料理店「一献」の繊細な逸品を前に、伝説のブレンダーたちのシズル感のあるトークを聞いた聴衆は、こぞって興味を引きつけられていく。デリケートな味付けの和食に合う製造プロセス、また日本独自のウイスキーへの追求が、ジャパニーズウイスキーの今日を築いたのは確かなようだ。

実力派バーテンダーたちの共演
チャンピオンレインボーに喝采が集まる

一方、会場内に設置されたバーテンダー協会のバーカウンターでは、第60回世界カクテル大会ファンシー部門優勝・スーパーファイナル総合優勝などの輝かしい実績を持つ山田高史氏をはじめ、全国バーテンダー技能競技大会の歴代チャンピオンである吉本武史氏(第41回大会総合優勝)、耳塚史泰氏(第38回大会総合優勝)、高橋直美氏(第39回大会総合優勝)、松尾一麿氏(第40回大会総合優勝)らがシェーカーを振っていた。彼らの創作カクテル「チャンピオンレインボー」がグラスに注がれた際には、鮮やかなグラスと創造主であるバーテンダーたちに惜しみない拍手が送られ、参加者はカクテルへの情熱と技術が注がれたグラスを口にし、頬を緩ませていた。

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協会関係者曰く、最新のバーシーンではドライアイスや盛り付けの演出を加えたカクテルが主流となり、ジューシーな味わいが際立つフルーツものが流行の兆しを見せているという。そんな中、最近ブームとなっている「シェリー」をテーマとした「シェリー・カクテル・コンペティション2014」も開催。繊細で流麗なカッティング技術を披露する時間帯もあり、まさに芸術品とも呼べるようなカクテルが並べられた。

CMコミュニケーションで広がった
白州の新たなファン層獲得

会場には国内外のブランドごとにブースが設置されており、イベント参加者は、数百種類のウイスキーとスピリッツを好きなだけ試飲することができる。そんな中、とりわけ注目を浴びていたのは、国内ウイスキーや海外フレーバーのブランドが軒を連ねるサントリーのブース群。山崎、白州、響、プレミアム角、マッカラン......そしてルジェやビーフィーター、カシスなどの試飲ブースでは列が途切れることがない。それぞれのブランドマネージャーが陣頭に立って参加者とのコミュニケーションをはかっていた。

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今夏、俳優の綾野剛さんをコミュニケーションモデルに起用した「森香るハイボール」といえば白州。販売は好調で前年比1.5倍から2倍を記録した。ウイスキーというと比較的高齢層の嗜好が強いイメージがあるが、20~30代のファンも着実に増えている。森の醸造所で自然の恩恵を受けたウイスキーというコンセプトはぶらすことなく、女性が手に取りやすいハーブとの組み合わせを勧めるなど、白州だからこそ可能なアプローチで、新たなウイスキー需要を喚起する考えだ。

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国内の匠の技を大事に守る山崎と響、
それぞれの展開未来予想図を聞く

一方、山崎、響というブランドブースでもこだわりを持つ客層の試飲が見てとれた。山崎はやはり2008年からのハイボールブームで、プレミアムハイボールを求める客層に響いている。裾野の広がりを感じながらも、ハイボールから、よりシングルモルトの味わいを楽しみたい方へ照準を合わせたアプローチも継続していくという。

響は、世界を見据えた展開を志向している。ビームサントリーの誕生によって販売網が世界に広がることで、響の持つ日本的感性を世界的に広げていく狙いがある。厳選された原酒を選ぶことによって、鼻をくすぐる豊かで繊細な香りは、まさにジャパニーズハーモニーとも呼べる逸品だ。日本の匠の技や芸術家とのコラボレート企画は既に機内誌などで露出してきており、よりグローバルに広げる展開を見据えている。

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フレーバーブランドに見ることができる
素材感とナチュラル感の最新流行事情

ウイスキーブランドの横に並ぶ、ルジェやビーフィーターといったフレーバーブランドにも注目が集まっていた。現在、バーシーンではフルーツテイストの強いカクテルが人気であり、ルジェはそのニーズをダイレクトに拾っていけるフレーバーであることをアピールしている。今年5月に5フレーバーが追加され、全15種類のラインナップとなったルジェは、フルーツの素材感、ナチュラル感を大事にするというコンセプトで女性の圧倒的支持を得ている。

1841年の誕生以来、フルーツにこだわり続けているルジェ。今年は生フルーツをふんだんに使ったジューシーな飲み方が定番だ。たとえばカシスに生絞りのオレンジジュースをたっぷり加えてソーダで割る。果実の瑞々しさをより感じられながら、甘みのきつすぎない爽快な飲み心地へのアプローチが高い評価を受けていた。

また、カクテルのベースに使うジンの代名詞とも言えるビーフィーターでは、ボタニカルを9種類利用している通常のものに、日本茶、中国茶、フルーツピールという3種類のボタニカルを加えた「24」が注目を集めていた。今後、よりグローバルなバーシーンでバーテンダーの支持を得られるよう、グローバルバーテンダーコンペなどを企画していくという。

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ハイテンションなステージプログラム
フレアショーの歓喜が会場を包む

数々のイベントの中で最も参加者のテンションをヒートアップさせたのは、やはり「ビームサントリープレゼンツ フレア・バーテンディング・ショー」だろう。日本国内、海外の競技会で多くの入賞経験を持つフレア・バーテンダー、ミツ氏とゴリチョ氏が、ハイテンポなリズムとテンションをかき混ぜるように、ボトルやシェーカーを鮮やかに躍らせる。

彼らの手に操られたシェーカーは、まるで自由意思を持った生き物のようだった。バーテンたちの手からヒジ、肩へと移動するシェーカーが汗をかいた頃、ステージ最前列に並べられたグラスにレインボーのカクテルが姿を現した。観客はそのテクニックに酔いしれ、コール&レスポンスに熱狂し、一瞬たりとも目を離せないステージに魅了されていた。

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美酒は何をもって美酒となるか。静かに思いを巡らしてグラスを傾ける美酒、フレアショーのように興奮の渦の中に飛び込んで味わう美酒。さらには、海外ゲストで来場したドイツバー業界の第一人者・チャールズ・シューマン氏や、アメリカ・カクテル・ミュージアムの創立者であるジェアード・ブラウン&アニスタジア・ミラー夫妻のようなレジェンド&エキスパートの薀蓄を肴にすれば、知の美酒となることもあるだろう。来年に続く余韻を残したバーショーは、日本のバーシーンのさらなる発展へと繋がっている気がしてならない。

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