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【セミナー/イベントレポート】カナダの大地が育んだ〝王道〟と〝革新的〟な2つのライウイスキー

ライウイスキーの多様性を示す『アルバータ プレミアム』と『アルバータ ダークバッチ』が待望の日本初上陸

カナディアンウイスキーの名門から2つのニューボトルが登場

世界には数多くのウイスキー蒸溜所があり、国によって様々な製造規定が設けられている。例えば、バーボンには主原料の51%以上がトウモロコシで、熟成にはオークの新樽を使うというルールが定められており、スコッチならばスコットランド国内で蒸溜され、3年以上熟成しなければならないなどの決まりがある。

カナディアンウイスキーの場合は、カナダ国内で製造することや、3年以上の樽熟成が義務付けられているが、素材に関してはライ麦、トウモロコシ、大麦など、多様な穀物の使用が認められている。さらには、ブレンディングの際、9.09%までであればカナダ産以外のスピリッツやワインを加えることが許可されているため、それぞれのブランドから特徴的なウイスキーが誕生している。

今回、カナディアンウイスキーの名門として知られるアルバータ蒸溜所から『アルバータ プレミアム』と『アルバータ ダークバッチ』が日本初上陸。これを記念して、カナダ出身でビームサントリー社のグローバルアンバサダーを務めるダン・トゥーリオ氏が来日し、アルバータのブランドセミナーが開催された。

カナダ出身のグローバルアンバサダーが語るカナディアンウイスキーの魅力

カナディアンウイスキーの歴史は18世紀の中頃から始まる。スコットランドやアイルランドからの開拓者が、カナダへウイスキー作りのノウハウを持ち込んだといわれている。

カナディアンウイスキーは、一般的にベースウイスキーとフレーバリングウイスキーを組み合わせて作られる。ベースウイスキーの主原料として使われるのはトウモロコシで、ダン氏曰く「値段でいえば、穀物の中で一番手頃だが、最も多くアルコールに転換できる穀物」とのこと。蒸溜は連続式蒸溜機で行われる。フレーバリングウイスキーには、ライ麦やトウモロコシ、大麦麦芽などが使用される。こちらは単式蒸溜機を使用し、穀物が持っている香味を閉じ込めるような製法で作られる。熟成には新樽だけでなく、バーボン樽などを使用。一度バーボンを詰めた樽を使うことで、スパイシーな香りが少しまろやかになるそうだ。

こうして作られるカナディアンウイスキーの魅力について、ダン氏は「カナディアンウイスキーは、とにかく楽しい。」と表現。具体的には「ウイスキーにはじっくりと重厚感をもって味わうものもあるが、カナディアンウイスキーはそういうものとはちょっと違います。もっとリラックスして、若々しい楽しみ方をしていただくのが、カナディアンウイスキーです。例えば、キャンプファイヤーを囲んだり、友人とバーベキューをしたり、スキーや釣りを楽しんだりと、若々しくアウトドアで楽しんでほしいと思っています。」と語った。

扱いにくいライ麦の使用を可能にした創業者の熱意と努力

東西に広い国土を持つカナダでは、地域によって気候が異なるため、生産される農作物にも違いがある。カナディアンウイスキーの歴史の中で重要な役割を果たしている『カナディアンクラブ』の蒸溜所がある東部のオンタリオ州は、夏が長く、日照時間に恵まれ、降水量も豊富であることからトウモロコシが盛んに作られている。一方、西部のアルバータ州は標高が高く、乾燥した気候で、温度差が大きいという環境下にあり、良質なライ麦が生産されている。そのため、1946年に蒸溜所が建てられて以降、アルバータでは一貫してライウイスキーが作られてきた。

ライ麦は他の穀物と比べて窒素含有比率が高く、仕込み段階において粘性が強くなりすぎてしまうため、ウイスキーの原料としては非常に扱いにくいとされている。しかし、創業者が化学に精通した人物であり、ライ麦を用いたウイスキー作りに必要な分解酵素を開発。これによって、アルバータ州でのライウイスキー作りが実現したという。

生産者から直接仕入れをするという創業時からのスタンス

『アルバータ プレミアム』と『アルバータ ダークバッチ』という2つの商品の日本発売を記念して、この日のセミナーにはアルバータ州政府の在日事務所から、デビッド・アンダーソン氏がゲストとして登場。アルバータ州の魅力を存分に語った。

「こんにちは。本日は皆様にお目にかかれて光栄です。」と流暢な日本語であいさつしたデビッド氏は、アルバータ州の環境について「アルバータ州には600以上もの湖と、245もの河川があり、世界でも有数の農産物生産経済地域として知られています。よく晴れた青空に新鮮な空気、豊かな土壌や、氷河が溶けてできた河川に囲まれたアルバータ州の自然は、高品質なライウイスキーの生産に最適な環境をもたらします。」と説明。「アルバータ蒸溜所は、今日でも穀物を生産者から直接仕入れており、生産者の多くが自らの手で届けています。」とも話した。

最後に、個人的な話として「『アルバータ プレミアム』は、アルバータ州で共に育った友人や、家族との楽しい思い出がたくさん詰まった大好きな一本です。このウイスキーが日本で発売されることを非常に嬉しく、光栄に思います。」と語り、スピーチを締めくくった。

〝カナダの至宝〟と謳われる、驚くほどスムースな『アルバータ プレミアム』

デビッド氏のスピーチに続いては、テイスティングを交えて、ダン氏から原料の穀類にライ麦を100%使用した『アルバータ プレミアム』の紹介が行われた。

ダン氏は、近年のウイスキー業界を取り巻く状況について「今、求められているのは特別なフレーバーで、それを元に美味しいカクテルを作るというのがトレンドになっています。」とした上で、美味しいライウイスキーを作るための条件に〝素晴らしい水源〟、〝高品質のライ麦〟、〝寒暖の差〟という3つの要素を挙げた。

このうち〝寒暖の差〟が果たす役割については、「樽詰めして熟成させる際、温度に合わせて液体が膨張、収縮するので、温度差が大きいと熟成のスピードが加速化されるわけです。」と説明。寒暖の差によって、熟成の進み方が変わってくるという特性を明かした。

熟成による変化を体感するため、この日のセミナーでは樽詰めする前の蒸溜液と、完成した『アルバータ プレミアム』の比較テイスティングが行われた。ライ麦100%の蒸溜液は、スパイシーな香りが特徴で、口に含むとわずかな甘さが感じられる。その後、口の中には刺激のあるスパイシーな味わいが広がっていく。一方、熟成を経た『アルバータ プレミアム』は、スパイシーさが和らぎ、驚くほどスムースな味わいに変化している。このスムースさを実現させているのは〝オークの古樽を使っていること〟と〝熟成場所の標高が高く、乾燥しており、温度差があること〟という2つの要素だという。

『アルバータ プレミアム』は、ウイスキーガイドブックの世界的権威であるジム・マーレイ氏の『ウイスキーバイブル』において、4年連続でカナディアンウイスキー・オブ・ザ・イヤーに輝いており、〝カナダの至宝〟とも謳われている。オン・ザ・ロックやハイボールはもちろんのこと、ダン氏はアルバータ州の名産であるはちみつと合わせたカクテルにも太鼓判を押した。

自由な製法が認められているカナダだからこそ誕生した革新的な『アルバータ ダークバッチ』

続いて紹介されたのは、近年のトレンドであるクラフトタイプのウイスキーを意識して作られた『アルバータ ダークバッチ』。ブレンディングの際、9.09%までならば他のスピリッツを加えてもよいというカナディアンウイスキーのルールに則って、ライウイスキーを91%、バーボンウイスキーを8%、シェリー酒を1%という割合で作られている。

全体の91%を締めるライウイスキーのうち、半分は単式蒸溜機で蒸溜された後、新樽で6年間熟成されたフレーバリングウイスキーで、もう半分は連続蒸溜機を使用し、古樽で12年間の熟成を経たベースウイスキーとなっている。バーボンはアルコール度数40%の『オールド グランダッド』を使用。シェリー酒にはスペインのオロロソシェリーが使われている。

この革新的なウイスキーについて、ダン氏は「ウイスキー通の愛好者や、バーテンダー、ミクソロジストの方々に求められているクラフトタイプのウイスキーを目指しました。」と述べ、「素晴らしい味わいと複雑さに感激していただけるのではないでしょうか。」と胸を張った。

実際にテイスティングしてみると、アルバータらしいライのフレーバーを残しつつ、芳醇で重層的なテイストを楽しむことができる。余韻は長くなめらかで、後味にシェリーの風味がほのかに感じられる仕上がりとなっている。後熟によって生み出される独特の深いダークカラーも特徴的で、見た目も美しい。

ダン氏がオススメする飲み方は、オン・ザ・ロック。「私がダークバッチを一番いい状態で楽しもうと思ったら、飲み口の広いウイスキーグラスに大きな氷を入れて、ロックで楽しみます。まず、氷が入ることで温度が下がり、さらに口が広いグラスに注ぐと、ウイスキーの中の構成要素がすべてひらいてきて、穀物からの香りや、樽からの香りなどがきちんと感じられるからです。」と話した。

2012年にカナダでリリースされ、2014年にはアメリカでも販売されるようになった『アルバータ ダークバッチ』は、両国で火がついたような人気を博しているという。そんな中、満を持しての日本新発売。日本のファンにも〝王道〟と〝革新的〟な2つのライウイスキーを楽しんでもらえることに期待を寄せ、アルバータのブランドセミナーは大盛況のうちに幕を下ろした。

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