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「日本一のカクテル」の名誉は誰の手に!? 『2016 ビームサントリー ザ・カクテルアワード』開幕!

日本から世界に羽ばたくバーテンダーによる最高峰の大舞台!

厳正なる審査を勝ち抜いた12人のファイナリストが集結!

カクテルを貴重な洋酒文化と位置づけ、育成・継承していくという目的で、1994年にスタートしたサントリー主催のカクテルコンペティション。「2016 ビームサントリー ザ・カクテルアワード」と銘打たれた今年の大会は、ショートカクテル部門とロングカクテル部門に分かれ、「メーカーズマーク」、「メーカーズマーク46」、「テキーラ サウザ ブルー」、「テキーラ サウザ ブルー レポサド」、「ルジェ」シリーズ14種のいずれかを使用したオリジナルカクテルが募集された。
昨年を上回る多数の応募作品の中から厳正なる書類審査と試飲審査が行われ、ショートカクテル部門6作品とロングカクテル部門6作品の計12作品が最終審査に進んだ。最終選考会では、ネーミング、味、見栄え、独創性、将来性、技術、プレゼンテーションの7項目を基準に審査を行い、各部門から優秀賞と最優秀賞が1作品ずつ選ばれる。さらに、最優秀賞2作品のうちの1作品が「カクテル アワード 2016」、つまり、最高峰のカクテルの栄光に輝くのだ。張り詰めた空気の中、今年もバーテンダーの祭典が幕を開けた。

ショートカクテル部門

ショートカクテル部門のトップバッターは、大阪府にある「THE LUX BAR」の齋藤倫生さんと、埼玉県にある「CAFE PDC」の藤倉正法さん。
落ち着いた表情で準備を整えた齋藤さんは、キレのある動きでカクテルの創作を開始。濃厚な果実の風味を凝縮した「ルジェ グリオットチェリー」をベースに、ふくよかな余韻の「クルボアジェ エクストラバガンス」や、爽やかな酸味の「プラムリキュール ド フランス プルシア」、上品な微炭酸の「ブラッドオランジーナ」など、フランス由来の素材を使用してオリジナルカクテル「Farandole」を完成させた。プレゼンテーションでは「シャンパンに代わる祝いの席に相応しいカクテルを作ろうと思い、南仏プロヴァンス地方で祝いの席に踊られるという民族舞踊の名を冠したカクテルを創作しました」と語り、パフォーマンスを締めくくった。

同時に試技を行った藤倉さんは、ステージに上がり、「ルジェ グリオットチェリー」と「テキーラ サウザ ブルー」を使用したカクテルを創作。リズミカルに振られたシェイカーからは、鮮やかな赤色のカクテルが注がれた。「Miranda」と名付けられた一杯について、藤倉さんは「ハートフルでエレガントな女性をイメージしたスタンダードカクテル」と説明。「今までカクテルに関心のなかった方にカクテルの魅力を伝えたい、そんな思いで創作いたしました」と語った。

2組目に登場したのは、新潟県にある「Shot Bar Angie」の土田裕司さんと、同じく新潟県にある「Bar eden Hall」の稲葉広道さん。
目の前に並ぶリキュールに敬意を払うように準備を進めた土田さんは、「テキーラ サウザ ブルー レポサド」をメインに、テキーラの故郷であるメキシコのお祭りに欠かせない花をイメージしたカクテル、その名も「マリーゴールド」を創作。「テキーラ サウザ ブルー レポサドの樽熟成由来のまろやかな甘さをベースに、色鮮やかで情熱的なオレンジ色の花をカクテルに表現してみました」という説明の通り、明るいオレンジ色がカクテルグラスを満たした。

ボトルを持ち上げる手つきやリキュールの注ぎ方、氷の扱いに至るまで、動作が華麗だった稲葉さんが創作したのは、「ルジェ クレーム ド ストロベリー」を使用した淡いピンク色のカクテル。「花笑み」と名付けられた一杯は、スイーツを味わっているような濃厚な甘みが特徴で、あまりお酒を飲まない女性にも喜ばれそうな味わいに仕上がっている。稲葉さん曰く「"リスペクトフルーツ"という、ルジェの理念に基づいたイチゴ本来の甘酸っぱくみずみずしい味わいと、その場で摘んできたようなフレッシュな香りを活かしたカクテル」とのこと。抑揚のある情熱的なスピーチも非常に印象的だった。

ショートカクテル部門の最後を飾ったのは、徳島県にある「BAR TOYOKAWA」の豊川新二さんと、福岡県にある「BAR SEBEK」の大津麻紀子さんの2名。
ステージ上に登場した時には柔らかい顔つきだった豊川さんは、試技が始まるとキリッとした表情に一変。流れるような手つきで「テキーラ サウザ ブルー」と「ルジェ ノワール ド ブルゴーニュ」を組み合わせたオリジナルカクテル「メキシカン・クイーン」を完成させた。創作意図については「メキシコの国民酒であるテキーラをベースに、カシスの女王・ノワール ド ブルゴーニュ、リキュールの女王・シャルトリューズを使用しました。カシスの甘みで女王の包容力、シャルトリューズの複雑味で女王の繊細さを表現しました」と説明した。

ショートカクテル部門で唯一の女性ファイナリストとなった大津さんは、会場に微笑みを向けながら、堂々とした試技を披露。ボトルの開け方や台を拭く所作など、端々に女性らしい繊細な気遣いが見て取れた。創作したのは「メーカーズマーク」をメインにした「Maker's Lagoon」というカクテル。プレゼンテーションでは「ケンタッキー州のきれいな水から生まれたメーカーズマークをベースに、マスカット リキュール ド フランス ミスティアで爽やかな空気を、そしてディサローノ アマレットで大地のふくよかな甘みをプラスしました。美味しい水は、美味しいお酒を作り出します。人と自然が織りなす美しい世界を味わってください」と語り、最後まで笑顔を絶やさないままパフォーマンスを締めくくった。

ロングカクテル部門

ショートカクテル部門に出場した6人のパフォーマンスに続いて、ステージではロングカクテル部門の最終試技が始まる。最初に登場したのは、新潟県にある「Bar FARO」の矢野忍さんと、兵庫県にある「BAR SLOPPY JOE」の石本匡史さん。
矢野さんは、会場の雰囲気を楽しむようにシェイカーを振り、「テキーラ サウザ ブルー」に「ミドリ」や「マスカット リキュール ド フランス ミスティア」を組み合わせたカクテル「若葉」を創作。「テキーラ サウザ ブルーのキレやスパイシーさを残しつつ、ミスティアに含まれるオレンジフラワーの効能、鎮静効果や美容効果、癒しを与えてくれるところにも着目いたしました。健康志向、低アルコール化が進む現代にリンクしたロングカクテルに仕上がりました」と説明された一杯は、まさに"若葉"のような緑色に輝いていた。

引き締まった表情でステージに上がった石本さんは、力強い動きで試技を進め、「メーカーズマーク」と「ルジェ ノワール ド ブルゴーニュ」をメインに「ビクトリー・エール」を完成させた。プレゼンテーションでは、「近年たくさんの自然災害が発生しております。過去に大変な経験をした方がいる中、今では笑顔で前に進もうとしている方もたくさんいます」と話した上で、「幸せの訪れの花言葉を持つカシスのリキュール、癒しを表現するプラムリキュール、そしてメーカーズマークに込められた大切な人に送る特別な思い、すべてを赤いリボンで包み、皆様にお届けします。負けないで、みんなで力を合わせて、元気を取り戻そう、そんな思いを込めて作り出しました。思いを届け、ひとりひとりにエールを込めた一杯です」と、身振り手振りを加えながら創作意図を解説。グラスに結ばれた赤いリボンに込めた思いを語った。

続いてステージに上がったのは、青森県にある「ザ バー アレス」の小笠原郁也さんと、岡山県にある「ダイニング&バー ダナドゥア」の松下知寛さんの2名。
試技のシミュレーションをするように、入念に準備を整えた小笠原さんは、ゆったりとした大きな動作でカクテルを創作。「ルジェ ノワール ド ブルゴーニュ」をメインとした真紅のカクテルに「オランジーナ」が加えられ、グラスの中の色が刻々と変化していくのが印象的だった。完成した「pomme rouge」について、小笠原さんは「ノワール ド ブルゴーニュの濃厚な色合いと、凝縮された果実味、グラン ソラージュで育まれたカルヴァドスの深い余韻を加え、オランジーナの爽やかさで満たしました。深紅のリンゴの味わいをどうぞお楽しみくださいませ」と説明して、パフォーマンスを終えた。

松下さんは、大舞台でも動じない、リラックスした様子で登場。ステージ上での振る舞いも自然体で、普段の仕事で培われたバーテンダーとしての自信がうかがえる。創作したのは、日本語で「サボテンの花」を意味する「Cactus Flower」という名のカクテル。「テキーラ サウザ ブルー」と「ルジェ クレーム ド ストロベリー」に、「マリブ」や「フレッシュライムジュース」を加えてシェイクした後、「オランジーナ」を注いで仕上げる。「燦々と降り注ぐ太陽の恵みを受け美しく咲き誇る、カクタスフラワー。情熱的で色鮮やかな色彩を持つ南国の花を、メキシコの大地で作られるテキーラ サウザ ブルーのフローラルな香りと共に、皆様にお届けします」という説明の通り、グラスの中は眩しい太陽のようなオレンジ色に満たされた。

ロングカクテル部門の最後には、北海道の「札幌プリンスホテル スカイラウンジ Top of PRINCE」から名取麻子さんと、京都の「からすま京都ホテル バー アンカー」から古田祐也さんが登場。互いの持てる力をぶつけ合った。
凛とした表情の名取さんは、きびきびとした動作とコンパクトなシェイクで「Sweet Garden」を創作。「メーカーズマーク」と「ルジェ グリオットチェリー」をメインに作り上げた一杯について、「最近人気のブラッドオランジーナと、懐かしさを感じるルジェ グリオットチェリーを合わせて、ゆっくり飲んでいただけるカクテルを作りました。私が作るカクテルで、たくさんの方が笑顔になっていただければ嬉しいです」と語った。

「ルジェ グリオットチェリー」、「ルジェ クランベリー」、「ルジェ クレーム ド ペシェ」という3種類のルジェを使用して、オリジナリティ溢れるカクテルを創作した古田さん。細かくスピーディーなシェイクで作られた一杯は、「LEJAYGINA」と名付けられた。プレゼンテーションでは、「たくさんのフルーツに囲まれたルジェの果実園をイメージしました。グリオットチェリー、クランベリー、ペシェの3種類を使用することで、ルジェの濃厚な果実味を表現し、甘くてほろ苦い味わいのブラッドオランジーナで満たすことで、多くの皆様に親しまれやすいフルーティーな低アルコールカクテルに仕上げました」と語り、堂々と試技を終えた。

王道を行きつつも針を振り切った奇跡的なカクテルの誕生!

12人のファイナリストの試技が終わると、審査員は別室での最終審議に入り、その間、来場者にはドリンクとフードのサービスが行われた。
この日、会場では、課題製品「メーカーズマーク」、「テキーラ サウザ ブルー」、「ルジェ」のブースが設置されブランドがおすすめするカクテルが振る舞われた他、歴代受賞者がオリジナルカクテルを提供する特設コーナーも登場。滅多にない貴重な機会ということで、バーカウンターの前には長蛇の列ができた。また、最終選考会の試技を終えたばかりのファイナリスト達が自ら出場作品を提供するカクテルコーナーも設置され、先程までの緊張した表情とは打って変わってリラックスした様子の12人が来場者と会話を楽しみながらシェイカーを振った。
メイン会場のステージでは、メキシカンバンドの生演奏がスタート。陽気なリズムと情熱的なボーカルが、年に一度のバーテンダーの祭典に華を添えていた。

お酒の影響もあって会場全体が高揚感に包まれる中、「2016 ビームサントリー ザ・カクテルアワード」は、ついに表彰式の時間を迎える。賑やかな会場の雰囲気とは対照的に、ステージ脇に並んだファイナリスト達は一様に緊張した面持ちだった。
まずは、ショートカクテル部門とロングカクテル部門の優秀賞が発表される。プレゼンターとして登壇したサントリー酒類株式会社の代表取締役社長・小島孝氏の口からは、ショートカクテル部門で「マリーゴールド」を創作した土田裕司さんと、ロングカクテル部門で「Sweet Garden」を創作した名取麻子さんの名前が読み上げられた。盛大な拍手に包まれる中、土田さんは嬉しいような悔しいような表情を、名取さんは晴れ晴れとした嬉しそうな表情を浮かべて、壇上に上がった。優秀賞を獲得した2人には、記念の盾と花束、そして副賞の賞金10万円が贈られた。

続いては、最優秀賞の発表に移る。ショートカクテル部門とロングカクテル部門から1作品ずつが選出され、そのいずれかが栄えある「カクテル アワード 2016」に輝くことになる。
ショートカクテル部門の最優秀賞には、稲葉広道さんの「花笑み」が選ばれた。自分の名前を呼ばれた瞬間、稲葉さんは全身の力が抜けたようだったが、立ち上がった表情は喜びに満ちていた。
ロングカクテル部門の最優秀賞は、松下知寛さんが創作した「Cactus Flower」に決定。緊張から解放された松下さんの顔には笑顔が戻り、試技の時と同じようにリラックスした雰囲気で壇上に赴いた。
両名には、記念の盾と花束、賞金30万円に加え、「ケンタッキー・ニューヨーク カクテルの旅」が授与され、引き続き「カクテル アワード 2016」の発表を待つことになる。

6月に作品の募集が始まり、書類審査と試飲審査を経て、最終選考会に集結した12人のバーテンダー。本年度の頂点に立つ「カクテル アワード 2016」が発表される瞬間、会場は再び緊迫した空気に包まれた。
「カクテル アワード 2016、それでは発表します」というアナウンスに続き、小島氏の口から発せられたのは「ロング部門、Cactus Flowerです!」との発表。会場には、静寂を打ち破るようにして盛大な拍手と歓声が巻き起こり、冷静な表情を崩さなかった松下さんは、喜びを噛みしめるようにして目を瞑った。
「カクテル アワード 2016」の栄光に輝いた松下さんは、「今のお気持ちは、いかがですか?」という質問に対して「このような大変光栄な賞をいただきまして、誠にありがとうございます。これも先輩方や、お世話になったお客様、家族の支えがあってのことだと思います。ありがとうございます」と喜びを語った。家族というフレーズが出ると言葉に詰まり、背景のスクリーンには涙を拭う様子が映し出された。
特別審査員を務めた雑誌「GOETHE(ゲーテ)」編集長の舘野晴彦氏は、受賞作品について「この場に勝ち上がってくるためには王道でなければいけないし、ここに残ったからには針を振り切っていなければ勝ち残れません。松下さんのカクテルは、大いなる道を行きつつも、非常に個性的だという感じがしました。素晴らしいことだと思います。飲んでいただければ分かりますが、本当に誰が飲んでも美味しいし、こだわりもあるという奇跡的な味わいだと思いました。おめでとうございます!」とコメント。見事、日本一のバーテンダーという栄光を手にした松下さんを讃える拍手と共に、「2016 ビームサントリー ザ・カクテルアワード」は幕を下ろした。

文・阿部光平

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(詳細レポート掲載中)

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