2017年03月24日

第2回 金柑とローズマリーのハーバル・スマッシュ・レシピ

 現代に蘇ったクラシカル・カクテル「スマッシュ」の新たな提案、トップ・バッターとなるのは2006年、「サントリー ザ・カクテル アワード」の優勝者、グランドニッコー東京 台場 メインバー「ルイ ロペス」のキャプテン、マスター・バーテンダーの飯塚貴也さん。初回を飾るカクテルは、いったい…。

日本のフルーツの旬をシンプルに押し出したハーバル・スマッシュ

金柑とローズマリーのハーバル・スマッシュ

現代に蘇ったクラシカル・カクテル「スマッシュ」のレシピ提案について、トップ・バッターだけに、飯塚さんは「奇をてらった突拍子のないカクテルを繰り出すのも」いかがなものかと悩んだと語る。

そもそもカクテルの時代的背景として、近年はモヒートが大きくフィーチャーされるなど、夏の定番として知られていたカクテルが、冬でもスタンダード・カクテルの仲間入りを果たしている。日本にも「ミクソロジー」のコンセプトが定着。その後、「ジン・バジル・スマッシュ」が人気を博し、そうした時の流れからカクテル・レシピを掘り起こしてみるべきかと考えた。

飯塚さんが目をつけた素材は金柑。金柑は、2月から4月初頭までと今がまさに旬の真っ只中。この時期は、金柑を使ったカクテルをお勧めするオーセンティック・バーも多い。飯塚さんは、さらに相性を重視し、金柑に合わせるのは、香り豊かなローズマリーとした。

色々と考えてみたものの、あまりひねっても難しそうだということで、どこのバーでも手軽にそろう素材と、スタンダード・カクテルとなり得るシンプルさを大事にした。そもそもレシピを考えると、夏向けと思われる「スマッシュ」ながら、旬の金柑を使うことにより初春に向け、カクテルにピッタリな季節感を伝えることができる。

ここに提案したレシピは、「メーカーズマーク」の風味を生かしつつも、「バーボンが苦手」という方でも心置きなく味わうことができるフィニッシュに仕上がっている。しかし、ちょっとだけご用心。「メーカーズマーク」を45mlとしっかり使用しているので、あたり口に騙され、飲みすぎは禁物だ。

2020年の東京五輪に向け、インバウンドの外国人客むけに「金柑など、日本ならではの素材を使用し、新しい『スマッシュ』が提供できれば面白いですよね」と飯塚さんは付け加えた。日本産のスピリッツや、ひょっとしたら、日本酒をベースにすることも考えてみたいと、これからの創作に思いを馳せていた。


材料名
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A. メーカーズマーク 45ml
B. シュガーシロップ 15ml
C. レモンジュース 1スプーン
D. アンゴスチュラビターズ 2ダッシュ
E. 金柑 2、3個
F. ローズマリー 2本

作り方
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1. ボストンシェイカーのグラスに、刻んだ金柑とシュガーシロップ、レモンジュースを加え、ペストルで潰す
2. 上記に材料AとDを加え、ローズマリー1本を炙った後に加える
3. 上記に氷を入れシェイク
4. 氷を入れたロックグラスに茶漉しを使用し注ぐ
5. スライスした金柑とローズマリーを飾りつけ、出来上がり

メインバー ルイ ロペス (MAIN BAR RUY LOPEZ)

お店情報

住所 東京都港区台場2-6-1 グランドニッコー東京 台場 2F
TEL 03-5500-6603(直通)
営業時間 17:30~24:00
定休日 無休

Maker’s Mark ブランドブック 第2回

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取材記者 たまさぶろ プロフィール

週刊誌、音楽雑誌編集者などを経て渡米。ニューヨーク大学などにてジャーナリズム、創作を学ぶ。ベルリッツやCNN本社など勤務後に帰国。『月刊プレイボーイ』、『男の隠れ家』などに寄稿し、BAR評論家に。著書に、女性バーテンダー讃歌『麗しきバーテンダーたち』、ニューヨークのBAR事情も交えたエッセイ『My Lost New York ~ BAR評論家がつづる九・一一前夜と現在(いま)』など。

著書

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