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【セミナー/イベントレポート】日本限定の新商品!「バランタイン17年 トリビュートリリース」が登場!

「バランタイン17年」の誕生80周年を記念して作られたスペシャルなウイスキーが数量限定発売!

バランタインの歴史と伝統に敬意を表した特別なウイスキー

1827年に創業し、190年もの長い歴史を誇るバランタイン。今では160カ国以上の国々で親しまれているブレンデッドウイスキーの代表格で、「バランタイン ファイネスト」、「バランタイン12年」、「バランタイン17年」、「バランタイン30年」など、他に類を見ないほど多彩なポートフォリオを有している。
中でも1937年に誕生した「バランタイン17年」は、〝17年もの"と呼ばれるウイスキーにおいて最も古い歴史を誇り、今年で誕生から80周年を迎えた。この節目の年を記念して、伝統のウイスキーにインスパイアされた新商品「バランタイン17年 トリビュートリリース」が登場。2017年5月23日に、日本限定、数量限定で販売が開始された。
歴史と伝統に敬意を表しながらも革新的なウイスキーを完成させたのは、5代目マスターブレンダーのサンディー・ヒスロップ氏。「バランタイン17年 トリビュートリリース」の発売に合わせて来日し、特別なウイスキーに込めた想いを語った。

伝統を重んじながらも、革新を目指すという姿勢

バランタインのウイスキーは、5人の歴代マスターブレンダーによって支えられてきた。5代目マスターブレンダーとして、バランタインのウイスキーづくりを統括する立場にあるヒスロップ氏は、自身の仕事について次のように語っている。
「ブレンデッドウイスキーの製造工程において、私が担っている役割は大きく分けて3つあります。蒸溜、熟成、そしてブレンディングです。毎週私のチームで蒸溜所で作られたニューメイクをすべてノージング、テイスティングして、品質を管理しています。熟成の段階に入る前に品質をチェックすることで個性を見極め、ブレンディングによって一定の味を作っていきます。我々は、数年後、数十年後を見据えたウイスキーづくりをしなければならないので、品質の管理というのをとても大事にしているのです」
バランタインの歴史と伝統を重んじながらも、「バランタイン17年 トリビュートリリース」をはじめとする新商品の開発にも注力しているヒスロップ氏。こうした功績が認められ、2016年には「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」で「マスターブレンダー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、世界で最も優れたブレンダーの称号を得ている。

徹底した品質管理のもとで行われる原酒づくり

マスターブレンダーという仕事の紹介に続いては、ブレンデッドウイスキーの核となる原酒づくりの説明が行われた。
バランタインでは、原酒づくりにおいて、麦芽、水、ポットスチルを重要視しているという。麦芽は、ヒスロップ氏のチームが責任をもって仕入れてきた最高品質のものを使用。ここの段階から、品質管理が徹底されている。 仕込み、発酵、蒸溜にいたるまで全工程に関わってくる水については、「スコットランドは雨が多いので、良質な水が豊富に確保できます。ですから、重要な水の供給が途絶えることはありません」と語った。
蒸溜工程を通じてフレーバーと品質に絶大な影響を与えるポットスチル。ヒスロップ氏が「形と同様に、材質も重要です。銅製のポットスチルを使うことによって余分な雑味や化学成分を取り除くことができます」と説明したように、バランタインでは材質に強いこだわりを持っている。
原酒が詰められる樽選びも、ヒスロップ氏の重要な仕事のひとつ。自身がアメリカまで行って、良質なアメリカンオーク樽を選定し、同様にスペインに足を運んで、バランタインに相応しいシェリー樽を買い付けているという。

マスターブレンダーに受け継がれる技術と哲学

バランタイン社はスコットランド中に365箇所の貯蔵庫を持っており、それぞれで熟成されたキーモルトをブレンディングすることで、複雑かつ構造的な味わいのウイスキーを作っている。
熟成の際に使用される樽について、ヒスロップ氏は「バランタインがバランタインであるための秘訣であり、良質なウイスキーづくりの核となる部分でもあります」と説明。ブレンディングに関しては、「一言で申し上げると、ウイスキーづくりにおける芸術」と表現した。
熟成やブレンディングの工程でも品質管理が徹底されており、それが一貫性のあるウイスキーづくりを支えている。ヒスロップ氏は「ブレンディングの技術を身につけるには、とても多くの知識と経験が必要なので、それぞれの香りや味わいを感じ取れるようになるまでには長い時間がかかりました」と話した上で、「幸いにも、私はロバート・ヒックス氏と、ジャック・ガウディー氏という2人の歴代マスターブレンダーから直々に指導を受けることができました。そうした経験のおかげで、今日におきましても、バランタイン特有の味わいやフレーバーを守り続けることができています」と、偉大な先人への敬意と感謝を口にした。

個性的な役割を果たす3つのキーモルト

今回のセミナーでは、「バランタイン17年 トリビュートリリース」を含む6つのウイスキーのテイスティングが行われた。
最初に紹介されたのは、バランタインが誇る多彩なポートフォリオの中で最も売れているという「バランタイン ファイネスト」。「テイスティングの際は水を加えることをオススメします。そうすることで、香りも味も一層引き立ってきます」というヒスロップ氏の指示に従って加水すると、バニラのような甘く華やかな香りが立ちのぼった。口当たりはとてもなめらかで、贅沢な甘さが舌の上に広がる。「味わいがどこまでも残るかと思います」という言葉の通り、余韻は非常に長く、複雑でありながら構造的な味わいが特徴として説明された。
続いては、誕生から80年を迎えた「バランタイン17年」と、これを構成する「スキャパ」、「グレンバーギー」、「ミルトンダフ」という3つのキーモルトが紹介された。
「バランタイン17年」における3つのキーモルトの役割について、ヒスロップ氏は次のように解説した。「まず初めに、スキャパのシングルモルトの波が押し寄せてきますね。第一印象になるキーモルトです。印象としましては、フルーティーでトロピカルな花のようなかろやかな香りですね」。次に、「中核をなす味わいを担うのが、グレンバーギーというキーモルト。個人的には一番好きなキーモルトです。特徴は爽やかなフルーティーさ、あとはジャムのような贅沢で熟した甘みが際立ったキーモルトになっています。また、とてもリッチで贅沢な蜂蜜のような甘さも感じられると思います」と続けた。
さらに、「スキャパの次に重要な役割を果たすキーモルトがミルトンダフです。こちらの特徴としてはとても力強くスパイシーで、シナモンのような香りと、味わいが感じられるキーモルトになっております」と解説。
実際に、3つのキーモルトをテイスティングしながら、それぞれの個性や役割と、「バランタイン17年」の構成が説明された。

伝統と革新が融合した「バランタイン17年 トリビュートリリース」の魅力

テイスティングの最後を飾るのは、この日の主役である「バランタイン17年 トリビュートリリース」。「バランタイン17年」が持つ80年という長い歴史の中で守り続けられた伝統的な特徴を持ったまま、革新を遂げた特別なウイスキーだ。
通常の「バランタイン17年」との違いについて、ヒスロップ氏は「グレンバーギーの比率を高めることによって、トリビュート独特のフルーティーさと贅沢な甘さを実現しています。それと同時にミルトンダフの比率を下げることで、力強さや重厚さを控えめにし、全体的なスパイシーさを抑えた配合にしました。熟成樽はファーストフィルのアメリカンオーク樽の比率を上げて、豊かな甘さとクリーミーな味わいを実現しています」と解説。製法の特徴として「冷却濾過を行わないノンチルフィルタード製法を用いることで、アルコール度数を48%に保っています」という説明も付け加えた。
こうした特徴を踏まえた上で、「バランタイン17年 トリビュートリリース」のテイスティングがスタート。具体的な香りや味わいについて、ヒスロップ氏は次のように語った。
「香りは、とてもリッチでフルーティー。熟した洋梨のような香りが立ちのぼってきます。オレンジのマーマレードのような豊かな甘さと、トフィーのようなリッチな甘さも感じ取れるかと思います。
味わいは高級感のあるチョコレートのようで、ベルベットのような舌触りと口当たりが特徴です。口に含むと、ミルクチョコレートのようななめらかさと、贅沢な甘さが広がります。フィニッシュは、ほのかなシナモンのスパイスが感じられるので、そこも意識しながら余韻を楽しんでください」
長年に渡って受け継がれてきた伝統と、常に進化を追求する革新的な姿勢によって生み出された「バランタイン17年 トリビュートリリース」。単なる記念商品ではなく、革新的なブレンデッドウイスキーとして完成した新商品の誕生を祝して、参加者全員の「乾杯!」の声でセミナーは締めくくられた。

取材・文/阿部光平

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