サントリーバーテンダーズクラブ

「2017 サントリー ザ・カクテルアワード」で「カクテルアワード2017」の栄光に輝いた「エル ドール」について、井上新平さんに創作の経緯や作り方のコツなどを伺った。
カクテルを創作する際には、「まず、わかりやすい味わいを目指します。その中にひとつアクセントをつけて、できるだけ洗練された味わいになるように工夫しています」と語る井上さん。「エル ドール」のアクセントには「ROKU」を使用し、日本的で繊細な味わいや、複雑さを加えたとのこと。
ただ、アクセントとなる部分を強調しすぎると、それだけの味になってしまい、控えめにしすぎると単調な味わいになってしまう。最終的に口の中に入れたときにまとまる味わいを出すためのバランスを考えるうえでは「自分ひとりで考えていると、自分だけの考えに固まってしまう」との考えから、先輩やお客様に実際に飲んでいただいたうえでの意見を柔軟に取り入れるようにしたという。
こうして完成した「エル ドール」について、井上さんは「甘酸っぱい味わいのカクテルで、朝でも昼でも夜でも、食前でも食後でも、とにかく時間を問わずに飲んでいただけるようなカクテルに仕上げました」と説明。お店のお客様からも好評で、中には東京転勤になったにも関わらず、わざわざ大阪まで飲みに来てくれた方もいたそうだ。
最後に、井上さんにとってのカクテル作りとは何かを訊ねると、「追い続けるものですね」という回答が返ってきた。「体調とかも踏まえて毎回、これが今のベストだと思って作るのですけど、1日の中で考えたこととか感じたことで次の日になったら『もっと』ってなっていくので、本当に終わりがないもの」と語ったくれた井上さん。今後の活躍にも大いに期待したい。